JAL、ANAの2020年2月度実績が出そろいました。減便、休便が本格化した初月ですので、比較、レビューしてみました。
国内線状況
従来より2月度は冬季シーズンの底の月ではあります。
旅客数(実際に輸送した旅客数)はANAのほうが多いですが、2月度はJALはなんとか過去4年での最低は免れましたが、ANAは最低記録となってしまいました。
JAL 2.57百万人(対前年同月比97%)
ANA 2.77百万人(対前年同月比95%)
.
利用率では両社過去4年で最低の利用率となってしまいました。
JAL 65.8%(前年同月72.0%)
ANA 63.7%(前年同月66.8%)
国際線状況
両社とも国際線の2月度の例年比の落ち込みは顕著です。
両社とも旅客者数が前年同月70万人台だったのが、50万人台に減少しました。
JAL 55.4万人(対前年同月比78%)
ANA 56.9万人(対前年同月比75%)
ANAは前月まで過去4年で毎月ほぼ最高の旅客者数で推移していましたので、落ち込みの度合いはJALより大きく見えてしまいます。
.
利用率も、JALは70%台を維持していますが、ANAは65%を切ってしまっています。
JAL 71.1%(前年同月79.8%)
ANA 64.4%(前年同月75.3%)
国際線エリア別
両社でエリアの分け方が異なり、ANAを分解することはできませんので、比較集計上ANAの分類にあわせます。
北米ホノルル(JALはグアム含)
ANAのグアムはユナイテッドによるコードシェアしかありませんので、JALはグアムデータが乗っている状態での比較になります。
=旅客数=
ANAは前年(2018年度)がフライングホヌ投入前で旅客者数の数字が低いため、前年比100%以上ですが、落込みは顕著です。旅客者数でもJALを下回ってしまいました。
JAL 19.7万人(対前年同月比98%)
ANA 17.5万人(対前年同月比109%)
=利用率=
ANAは昨年から70%以上で推移していましたが、ついに70%を割ってしまいました。
JAL 75.5%(前年同月78.2%)
ANA 62.4%(前年同月69.0%)
欧州
=旅客数=
欧州路線の旅客数は、2月度は両社とも他の地域ほど影響を受けていないように見えますが、3月度以降大きな影響を受けることになると思います。
JAL 5.0万人(対前年同月比95%)
ANA 6.7万人(対前年同月比96%)
=利用率=
両社例年と似たような状況ですが、利用率は例年1月がボトムのところ、JALは1月度より利用率を下げてしまっているところ、ANAは少しですがなんとか盛り返しています。
JAL 72.3%(前年同月82.2%)
ANA 67.8%(前年同月76.8%)
アジアオセアニア
=旅客数=
このカテゴリーには中国路線が含まれていますので、このエリアが最も顕著な影響が出ています。
旅客数はANAがJALを圧倒していましたが、2月度単月では、ほぼ同じような数字になってしまいました。
JAL 31.2万人(対前年同月比68%)
ANA 32.6万人(対前年同月比62%)
=利用率=
利用率も両社大きく落としていますが、ANAは50%台と危険領域に差し掛かっています。
JAL 65.8%(前年同月80.7%)
ANA 58.7%(前年同月77.1%)
まとめ
国際線のエリア別内訳
.
2月から中国便を中心に本格的に減便、休便が始まりましたので、その状況を確認しました。3月度以降各エリアでの減便、休便が波及しますので、旅客数はさらに悪化すると思われますが、利用率は各社減便、休便にて努力されていると思いますので、どのような差が出るか3月度が出そろったところで確認したいと思います。
すでに世界大手各社や3大アライアンスは政府への財政的支援を申し入れており、報道ではANAは政府保証付きの融資確保で調整が進められています。
報道はされていませんが、水面下では日本の他エアラインも同様な動きになっていると推測します。

コメント