7月10日、ANAが2021年度入社の採用活動の中止を発表しました。
5月8日に同社2021年度入社の採用活動中断発表後の大きな発表でした。
JALは、5月27日に2021年度入社の採用活動中断発表後、動きはありませんが、ANAの動きを受け、JALも遠くない将来、2021年度採用活動中止の発表を行う可能性が高いように感じます。
では、再開はいつぐらいになるのか、予測は難しいですが、過去のリスクイベントにてJAL、ANAは採用活動を一時中断してきている履歴がありますので、その内容を振り返りながら、考察してみました。
JALは2009年度の破綻から2011年度までの再上場をはさんで、会社経営陣や組織が大きく変わり、従業員数の有価証券報告書の報告の仕方も大きく変わり、同じ視点での推移が確認できませんので、ANAで確認します。
ANAの連結従業員数推移
同社有価証券報告書から連結従業員数の推移をまとめてみました。
ANAはSARSとリーマンショックで、航空需要が大きく減り、採用活動を一時的に見合わせています。
SARS:2002年
2005年度から従業員が増えていますので、採用活動停止は実質、2003、4年の2年でした。
リーマンショック:2008年
同社プレスリリースを見ると、さかのぼれる範囲で2011年度の新卒募集要項や入社式がありますので、そのほかの情報から採用活動がなかったのは2009、10年度の2年であったと思われます。
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最新の国内線減便率状況
国際線はJAL、ANAともに今後の減便率が90%程度からの回復の目途が立っておりませんが、国内線の減便率は、7月はJALは38%、ANAは50%、8月はJAL10%程度まで回復させる計画が発表されています。
JAL、ANAともに国内線、国際線から得られる収入がほぼほぼ1:1ですから、国際線がほぼ見込めない中で、収入は50%減となり、国内線が50%の7月は全体から見れば、収入は25%しか確保できないということになります。
JALは8月で減便率10%とほぼほぼコロナ前に近い状態まで戻すようですが、利用率がもどらないと、飛ばしても逆に損するということにもなります。
まとめ
昨今の東京における感染者数の急増及び秋以降の第二波を考えますと、今年度は航空会社の運営は極めて不安定、来年度は、今冬のコロナ感染者数の状況に加え、延期されているオリンピックの開催有無でまた大きく左右されることになります。
過去のリスクイベントでは、約2年の採用活動中止となっていましたが、今回もやはり最低でも2年は採用活動は行われないと考えた方がよく、3年後も実施されるかどうかは、きわめて不透明といわざるを得ないといえると思います。
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