JAL(JL)の通期連結業績予想の修正のプレスリリースが出ましたので、先にプレスリリースされたANAHDとの比較も含めて状況レビューしてみました。
ANA HD 2020年3月期の連結財務指標速報値とその数字の意味するもの
JAL 2020年3月期(2019年度)連結業績予想
前回発表値に対し、売上高:△5.0%、営業利益:△29%、純利益:△43%とのことです。
.
過日発表されたANAの数字と並べてみました。
ANAの方が事業規模が大きい分、前回予想との差(増減額)も大きくなっています。
.
売上高(事業規模)では、前回発表も今回修正もANAの方が1.4倍大きいのに、利益系では前回ANAはJALとほぼ同額とおいていましたが、今回修正でJALの約半分になってしまいました。
ANAの方が経営への影響がより大きいことがわかります。
JAL 連結業績推移(2012年度~2019年度)
過去からの推移も見てみましょう。
JALは2012年に再上場していますので、データは2012年からになります。
ANAと同様、2019年度のわずか1.5か月の影響で営業利益、純利益が大きく毀損しました。
.
JALに時間軸と縦軸スケールを合わせてANAもグラフ化してみました。
.
JALは高い利益率を確保してきましたが、ここ数年漸減していたところに、急落となりました。
一方ANAは低かった利益を2017年まで伸ばしてきましたが、2018年度でやや落としたところで、急落となりました。
2018年度決算資料を見ましたが、純利益を落とした理由は明確には記載がありませんでした。
.
また、ANAと同じ前提で、2020年度の予測をしてみると、営業利益:△2200億円、当期純利益:△約3000億円弱と、ANAの営業利益:△5800億円、純利益:△5000億円よりはよいですが、1年間同じような状況が続いた場合は非常に厳しい状況です。
.
まとめ
報道ベースでは、JALはまだ金策に走っている状況は伝えられていませんが、水面下では様々な確認、検証、交渉が行われていると思います。
最後に
国際線は、就航地国の事情や都合がありますので、なかなか難しいですが、国内だけでもコロナ禍を一日も早く収束させ、国内線の早期再立ち上げとなることを、心より祈っています。

クリック頂けますと励みになります。
コメント