ANAHD(NH)の通期連結業績予想の修正のプレスリリースが出ましたので、状況レビューしてみました。
2020年3月期(2019年度)連結業績予想
前回発表値に対し、売上高:△5.7%、営業利益:△57%、純利益:△71%とのことです。
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この結果は、ほぼほぼ2月後半から3月にかけてのコロナ禍の影響となりますので、約1.5か月の影響ということになります。
この数字が、過去の業績の中でどのくらいのインパクトを持つのか過去の状況を紐解いてみましょう
ANAHD 連結業績推移(2007年度~2019年度)
まずは、売上高、営業利益、純利益の推移をグラフにしてみました。
なんだ黒字じゃんと思うのは早計です、この下落幅はほぼ約1.5か月の影響でなったものであり、この状況がさらに継続される状況であり、2020年度のいつまで続くかわからない状況であることが最大の問題です。
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2007年度以降の大きな落ち込みは、以下2年度になります。
- 2008年度:年度後半から始まった経済危機(リーマンショック)
- 2009年度:前年度からの経済危機の影響及びインフルエンザの影響
それぞれの年度の影響を見てみましょう
2007年度の影響はほぼ半年(6か月)、2008年度の影響はほぼ通年(12か月)といえると思います。
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一方今回の落ち込みの割合は、2008と似た数字ですが、異なるのは、2008年度は6か月の影響に対する落ち込みであり、今回は約1.5か月の影響に対する割合と考えると、今回の影響のインパクトは、2008年度の約4倍ということになります。
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一方、2020年度はどうなるのかについては、コロナ禍がいつ収束するのかによりますが、万が一通年の影響と仮定した場合、前年実績との差が12か月/1.5か月=8倍のインパクトがあると計算すると、営業利益は、2009年度の△500億円の10倍である約5,000憶円になるという計算になります。
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まとめ
ここまではあくまで単純計算ですので、もちろんANAも様々な出血を止める方策を取られていると思いますので、上記は最大値だと思います。
ここまでで報じられた4月上旬に3000億円の資金調達や、1兆3000億円の融資枠の要請も、数字の桁数があってきます。
最後に
NYや欧州では、感染のピークは過ぎたとの明るいニュースも出ていますが、外出制限を解けばまた感染者がまた増加すると盛んに警告をされており、なかなか見通しが立ちません。
島国である日本において、自国の航空産業はなくてはならない事業であり、2大キャリアが切磋琢磨で競争している環境は、利用者にとっては大変ありがたい状況ではありますが、いよいよ国の支援が入るとなったときに、業界再編論も熱を帯びてくるような気も致します。
次のJALの発表を待ちたいと思います。
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