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世界的なコロナ感染状況収束がなかなか見通せず、国際線の回復の見通しが早くて2024年といわれている中、国内線を持つ世界大手航空会社の当面の生命線は国内線となっています。
国際線、国内線両方を持つ国内大手2社も同様です。
コロナ前からの状況の比較含めて推移を改めてレビューしてみました。
旅客数
データとしては2019年1月から最新の2020年11月までのデータとしました。
旅客数としては、はコロナ前はANAの方が多い旅客数を運んでいましたが、昨年4月-5月の第1回目緊急事態宣言時の都道府県外移動自粛による急落後、復調の過程では、JALの方が多い旅客数を運んでいます。
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国内座席キロ
旅客数は、航空会社が提供している便数(=座席数)に影響を受けますので、公開されているデータの中で、座席キロ(運航された便に搭載された座席数に運航した距離を掛け合わせて積算した情報)(いわゆるキャパ)の推移を見てみました。
コロナ前はANAが約1.5倍の座席キロ数を維持していましたが、5月にはJALを下回るまで調整(減便)しています。
その後回復の過程では、やはりANAが概ね上回っていますが、その差は約1.1倍になっています。
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推測ですが、GOTO前倒しをみこんだのでしょうか?ANAは8月に便数を増やして大きく座席キロを延ばしましたが、9月に大きく減便(調整)しています。
JALも同様ですがその振れ幅はANAより小幅にみえます。
利用率
両社の運航効率を見る上でもう一つ重要な数字が、利用率になります。
利用率は人キロ(運航された便に搭乗された人数に運航した距離を掛け合わせて積算した情報)を座席キロ(運航された便に搭載された座席数に運航した距離を掛け合わせて積算した情報)で割った情報になります。
コロナ前の利用率は、時期により多少振れますが、両社概ね60%ー80%のレンジで推移しており、JALがやや上回っている状況で推移していました。
大幅減便となった4月に利用率は両社同程度の15%程度まで落ち込みましたが、最新の11月には60%台まで回復しています。
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ANAは8月に座席キロを前月比1.6倍に増やしましたが、利用率は30%まで落ち込みました、翌月の9月は利用率は50%台に戻していますが、座席キロを前月比で60%まで調整していることも影響していると思われます。
最後に
財務的にANAがJALに比べて、わずかならも厳しい状況にあることは報道されていますが、上記グラフを見ていても、JALに比べ多くの人員と機材を抱えながらも、回し切れていない状況が垣間見えているように感じます。
JALとANAの共同運航便が搭乗するのももはや夢ではないようにも感じます。
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